読まずに食べた/らし

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

 

Auther : らし
Circle : おとといあさって
Twitter : @rashi_catwillow
紹介文 : へんな物語を書き、へんな形の本などをせっせとつくっています。

 

 

 


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

  1. いぐあな より:

    相手がいないと物語が成り立たない、お題なのでは? と思っていたのに、この設定には脱帽です。
    最後の愛の痕跡は、どんな味がしたのでしょう?
    意外と手紙は黒ヤギさんの命の糧になれて喜んでいるのかも…と思いました。

  2. セリザワマユミ より:

    これすごくすきです
    シロヤギさんがいない世界でクロヤギさんが生き残っている話

  3. セリザワマユミ より:

    これすごくすきです
    クロヤギさんが生き残っている世界で
    シロヤギさんの痕跡を探している話

  4. 森村直也 より:

    「愛の痕跡が消える」「明日もまた生きていく」この二文に震えました。
    淡々と生きるために生きる黒山羊さんと、
    300年の間に消化されていく人の歴史。
    凄い作品に出会ったと思いました。

  5. 納豆 より:

    ポストカード拝読いたしました。

    冒頭の「黒ヤギさんは飢えていた。」から「無機質な印刷物から滋養を得るのは難しい。」までを読んでいて。
    私は日頃より趣味でまったりと手紙のやり取りを楽しんでいるのですが、毎日郵便ポストを見ては、
    今日は届くかな、今日は来なかった、今日は届いた!と一喜一憂していて、そんな自分と重なりました。

    手紙が届くのは時折で、手紙が届く頻度よりは高いけれど数日に1階届けばいい方の手紙は、ダイレクトメールやフリーペーパーなど。
    そんな時、機械的に印刷された、定型文の手紙ではなくて、「私一人宛に書かれた手紙が欲しいなぁ…」って寂しい気持ちになります。
    そしたら、心が元気になってワクワクして、とても滋養になるのに、と。

    「黄昏時、半壊したコンクリートの建物」「集合住宅かな」のところは、読んでいて、え?! 街が、滅んだ?! と吃驚しました。
    「人類が滅び」た原因が、災害か、戦争か、分からないけど……。みんな死んでしまった、と思って。
    そうか、街は、村は、世界から、もう誰も生きてない……三百年も。

    「黄昏」はどこか懐かしくて切なくて、日が沈む。いずれ夜が来て、眠りの時間。「もうすぐ終りが来る前の時間」と感じました。

    「半壊したコンクリートの建物」は、300年の時間の経過で半壊したのか、それとも、戦争だろうか、それとも、人類が滅びる前に、生存の戦いがあったのだろうか。沢山の人が、悲しんで苦しんだのだろうか。

    「灰色の下駄箱」に「ラブレター」! ラブレターが入っていたということは、三百年前に人類が滅んだ時は、一瞬だったのだろうか?
    それとも、周りの人間が死に絶えていく中で、比較的元気だった子がラブレター届けに行ったのだろうか?
    それとも、どこかに逃げるために、その前に、ラブレターを届けに行ったんだろうか?

    「奇跡的に原型を留めた」、三百年前に人類が滅んだ時、コンクリートの建物が半壊したように、いろんなものが壊れたんだろうな、と思い浮かべました。
    手紙が原型を留めている、というのがすでに奇跡なくらいに、人類が滅びる時は、凄惨だったのだろうか……。

    読んでいて、この世界でかつて何が起こったのだろう、と思うと、今は廃墟とかした舞台に、心が痛み。
    そして興味を持ちました。この世界で起こったこと、もっと知りたいって思いました。

    きっと、黒ヤギさんは、「誰かが誰かに宛てて書いた、その相手にだけ宛てて心を込めて書いた。
    おそらく直筆の、そんな特別な特別な言葉が綴られた手紙(メッセージ)」が欲しくてほしくて。
    飢えていて。食べないと死んじゃう。

    手紙に込められた愛を、読みはしなかったけど(黒ヤギさんは人間の文字が読めないからと思いました)。
    でも、味わって、咀嚼して、心に愛が染み渡り届けられ、心が、元気になって。
    ああこれでまた生きていけるって、思ったんだろうな、と思いました!
    とびっきりの「生きる」ための糧となる力!

    世界最後のラブレターを食べてしまったから、もうラブレターを食べることは出来ないけど、もう黒ヤギさんの一分になっていて。
    そして「黒ヤギさんは明日もまた生きていく」んだな、って思いました!

    まだ、世界には、手紙が。友達が友達に宛てた手紙とか、親が子供に当てた手紙とか。
    たったひとりのためだけに宛てられたそんな心が元気になる大切な手紙が、まだどこかにあって、それを見つけて食べるべく。

    読み終わり、私もまた新しく手紙を書いてみようかな、と思いました!
    黒ヤギさんが300年後、お腹が空かないように。黒ヤギさんに食べてもらえるように!

セリザワマユミ にコメントする コメントをキャンセル

*