第8回作品集

其は鼓舞し奮い立たせるもの/奈木 一可

 

 

 

 

Auther : 奈木 一可
Circle : 燎火堂
Twitter : @bald0ria
紹介文 : 竜に乗って有翼の虎と空で戦う騎士たちの物語「雲払い響け、竜の謡」から、本編にも登場する気難しくプライドが高いものの実力は折り紙つきな黒竜ユガーネの話でした。

本編は、この話においてユガーネの背に乗る青年騎士と、彼が面倒を見ることになった半竜の幼女を巡る物語となっております。

 

 

 

とある商人と道切様/末広圭

 

 

 

 

Auther : 末広圭
Circle : すてばちや
Twitter : @sutebachiya
紹介文 : サイトで不定期に連載している「とある探偵~」シリーズの劇中に登場する、あらゆる世界を渡り歩く能力を持った商人ケディのある一幕です。

さて、彼は本当に見たままの姿の存在なのか……。

 

 

 

紫銀の鴉/ソウ

 

 

 

 

 

Auther : ソウ
Circle : いとこん
Twitter : @amehare_05
紹介文 : 機械と生物の間の架空生物。
当サークル作品・アンダーグラウンドシリーズの世界観を少しだけ。
いつか実現しそうで、でもちょっとありえないかな、くらいのギリギリSF世界をお楽しみください。

 

 

 

翼の行方/Rista Falter

 

 

 

 

 

Auther : Rista Falter
Circle : 化屋月華堂
Twitter : @Rista_Bakeya
紹介文 : ツイノベでもおなじみ『ストレイトロード』から、正義の魔女がアップを始めるワンシーン。

魔女もので旅ものでSF要素も入ったこの作品、実は架空生物を謎の中心に据える物語でもあるので、題材を決めるまでは迷いなく進みました。
しかしできあがった作品を改めて見ると、人間の心に棲むモンスターの方が怖くなってませんかね?

 

 

 

マモン/PAULA01125

 

 人が争う理由は、色々あるが、私は強欲という罪は、一等争いから無縁だと思う。
「何故彼等は、もっと欲しがるのだろう? そんなことをしていて、折角の自分の財宝が損なわれたら、一番の損だ。こうして手元にある黄金を撫でているのが一番さ。」
 私が地獄でそんなことを言っていると、多くの悪魔達は私を臆病者だとか、そんな風に罵るのだが、私は実際、黄金を撫でている時が、一番満たされるのだ。

「兄さん。この前兄さんの書斎にあった悪魔学の本にこんな記述があったけど、兄さんもしかして中世にホントに地獄に堕ちてたの?」
「ホントにって何だよ、ホントにって!」
「ねえ、堕ちてたの? だから中世、あんなごたごたしてたの?」
「いや、アレ、ヒマを持て余した神学者達の遊びだからな!?」

 

 

Auther : PAULA01125
Circle : いくそす。
Twitter : @H_tousokujin
紹介文 :  キリスト教各宗派擬人化小説と聖書二次創作専門サークルです。
 誰がなんと言おうと、私の推し悪魔はマモンちゃんです。

 

 

 

ケルビム/PAULA0125

 

 燃える炎が、私の背中を焦がしている。
 手と手を取り合い、新しい人生を歩む者達、また、東の彼方で新しい人生を歩む者。
 四十の四十倍、その又四十倍の世代を経て、いつか彼等は再び、私が守るこの門を潜るだろう。私はその時まで、ここで剣を掲げよう。
 例え、世界を水が覆い隠そうとも。
 例え、神の炎が町と人々を焼こうとも。
 例え、我が主人の愛し子が殺されようとも。
 私はここで、お前達を待っている。
 この門を潜る日を怯えるのではなく、楽しみとして生きるが良い。
 そうして、この門の入り口で人生を振り返った時、
「辛いことも楽しいこともあったけど、悪くはなかった。全く、良い人生だった。」
 そう言って、この門を潜るが良い。私は門を護りながら、その思い出を聞こう。
 神がそうお望みになっている。

 

 

Auther : PAULA0125
Circle : いくそす。
Twitter : @H_tousokujin
紹介文 :  キリスト教各宗派擬人化小説と聖書二次創作専門サークルです。
 ケルビムはエデンの園の入り口を守っていると言われる天使の階級の一つです。

 

 

 

レヴィアタン/PAULA0125

 

 ああ、私は臆病だ。
 私は神から与えられた使命により、死ぬのが怖かった。
 だから私は、海の藻屑になろうとしている。
 これは主の気まぐれなのか、それともお慈悲なのか、しかして私は、未だ溺れていない。
 この大きな怪物の腹の中に収められて、どれくらい経ったのだろう。
 私は臆病だ。
 この期に及んで、神に背いた事を懺悔するのではなく、この怪物の腹の中で溶けてしまわないように祈っている。
 主よ、主よ。我が滅びを司りし神よ。
 かの地に私は預言を賜り赴きます。
 ですからどうか、主よ。
 この怪物の腹の中にいる間に、私を力づけてください。
 そのためでないというのなら、何故私はレヴィアタンに呑まれたと言うのでしょう。

 

 

Auther : PAULA0125
Circle : いくそす。
Twitter : @H_tousokujin
紹介文 :  キリスト教各宗派擬人化小説と聖書二次創作専門サークルです。
 レヴィアタンは本来、海の魔物です。ヨナが呑み込まれた「鯨」もこいつじゃないかな?