鏡の中の女学生たち/耀華

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 放課後の教室にて――

「ねえ、今日もあれやろうよ」
「合わせ鏡で鏡の向こう側へ行って未来を見るってヤツ? でも昨日は何も起きなかったじゃない」
「だからもっかいやってみようよ」
 少女の勢いに圧され、もう一人がしぶしぶ頷きかけたとき。
 がたん、と耳障りな音。
 いつの間にか窓際に少女が立っており、二人をじっと見ていた。
「いたずらに霊を刺激しない方がいいと思うけど」
 二人は顔を見合わせる。
「……あれ、転校生」
「感じ悪ーい」
「帰ろ。なんか興ざめしちゃった」
 そうして二人の少女は教室を後にした。

「簡単には逃がさないわよ。せっかくこっち側に来てくれた、大切な大切な遊び友達なんだから……」
 取り残された少女はにやりと笑った。

 

Auther : 耀華
Circle : 旅人たちの紡歌
Twitter : @greenry1110 https://twitter.com/greenry1110
紹介文 : ほんのりホラー風味のオリジナル作品です。
アイデア勝負です。鏡にうつして読んでみてください。
(とはいえディスプレイじゃ読みにくいと思いますので一応本文も掲載しておきます)

 

 

 


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コメント

  1. いぐあな より:

    これは二人の少女は最初の合わせ鏡で向こうに行ってしまっていたのですね。
    鏡文字とラストの少女の言葉が怖さを煽って、とても好きな作品です。

  2. 森村直也 より:

    あっ。下に本文が!(気付くのが遅い)
    歪んだ文字、背景のパターンから、自分の年代でのこういう話が流行った頃を少しばかり思い出しました。
    (昭和の少し歪んだガラスのような。)

    思い出しつつ、ゆがみというのは居心地の悪さを感じさせます。
    内容、結末、文字から受ける居心地の悪さ。
    ぞくりとくる、ステキな物語でした。

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