かりんとう/峰野白音

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ぼくが大嫌いなお菓子は 【かりんとう】
見た目や味はどうでもいい むしろそんな理由で
嫌いだったら… ぼくはどれだけ幸せだろう

ココロを病んだ姫が人を傷つけ 謝ると
突然土下座をして出したものが 【かりんとう】
お詫びもお菓子もいらないと 土下座を辞めさせ
説明したのに  強引にそれを お仕付けて
強引に土下座されられたと 言い出して
その嘘を信じた王子が ぼくを罵り
姫は病んでいるから忘れろと 王が言う

その【かりんとう】が ぼくの部屋にある
まだあるのと言われたし 本音はもう見たくない
消費期限も とうに過ぎている

それでも記憶ごと捨てることができない
そんな 【かりんとう】が ぼくは大嫌いだ

 

Auther : 峰野白音
Circle : みねの。
Twitter : @shirane_mineno
紹介文 : お題がお菓子と聞いて、真っ先に思いついたものです。
1枚1枚タイプライターで念を入れながら打ちました。
好きな人は本当にごめんなさい。

 

 

 


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コメント

  1. いぐあな より:

    この作品、実物のポスカを持っているのですが、本当に不思議な風合いの作品だと思ったら、タイプライターですか!?
    理不尽で不愉快な謝罪を一方的に押し付けられた上に、非難までされたぼくの鬱積した思いの象徴になったかりんとう。彼自身の気持ちのようでもあります。

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