いつも舐めてるのど飴の大袋には、形の違う〝当たり〟が入っていることがある。受験の時期だと合格祈願、バレンタインデーの前ならおまじないの言葉がパッケージを飾るのが、ここ数年のお決まりだ。 星やハート型の飴を舐めるのがなんとなく気恥ずかしくて、俺は買うとすぐに〝当たり〟があるかを確かめた。それを避けてポケットに突っ込むと、消費されない〝当たり〟が溜まっていく。 『あ、それ美味しいよね』 教室で常盤に声をかけられた時、驚いて返事もできなかった気がする。机の上に放った〝当たり〟を掴んで、渡しもしないだろうにこっそりポケットに混ぜ込んだ。 大事なのは、自然な装いとタイミング。もしくは話しかける勇気だけ。 |
Auther : 東見日和 Circle : complex garden. Twitter : @Harumi_Niwa |
「俺」の初々しさと、色々と意識し始めるお年頃を感じました。
「教室で常盤に声をかけられた時 ~ ポケットに混ぜ込んだ。」に、読んでいてニヤけちゃいました!
「大事なのは、自然な装いとタイミング。もしくは話しかける勇気だけ。」に、がんばれ! がんばれ! と応援の気持ちになりました。うまくいきますように!
ご感想をありがとうございます!
なんとなく、意識しすぎて渡せないのだろうなあという気持ちで書いてしまったので、私からも上手くいくおまじないをかけておこうと思います。
わー、ニヤけていただき嬉しいです……!
読んでいただき、本当にありがとうございました!
思春期の少年らしい照れが可愛いです。
そこは、今まで邪険にしていた“当たり”の力を借りて、勇気を出してみたらどうでしょう。