八日雪/PAULA0125

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 昨日まで晴れていたのに、空が泣いている。

 降り注ぐ炎が、涙を凍らせた朝を思い出す。
 罪を濯ぐ炎が、光を消した夜を思い出す。

「どうした、坊主。
 今のご時世、教会は施しはやってないんだ。
 来年からは、もう一カ月早くおいで。
 お前さんと妹と家族の為に、
 祈りの会が催されるから」

 雪が降る、雪が降る。しんしんと雪が降る。

 無原罪の聖母マリア、御霊を護り給え。

 今日は御身の恩寵を記念する日。
 雪よ、吸え吸え、罵声を吸え。
 今は唯、鎮魂の祈りのために。
 海ごと抱きて、死者の眠りを護り給え。

 願わくは、夏の悲劇を担わされた我等の兄弟を、彼等を護れなかった我を赦し給え。

 今日は12月8日。『開戦の日』。

 

 

Auther : PAULA0125
Circle : いくそす。
Twitter : @H_tousokujin
紹介文 :  キリスト教各宗派擬人化小説と聖書二次創作専門サークルです。
 12月8日は日本にとってもキリスト教にとっても大事な日。エモい。尊い。伝われ。

 

 

 


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コメント

  1. いぐあな より:

    12月8日はキリスト教にとって「無原罪のマリア」の日であると共に、太平洋戦争の開戦の日でもあるんですね。
    原罪を免れたマリア様に戦争の罪の赦しを乞う姿が胸にきます。

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