リナちゃんの作るカレーはもっと具が大きかった。それなのにあいつはいつもちまちま一口サイズに切った人参ばっか入れる。子供はみんな人参とピーマンが嫌いだと思い込んでるからだ。リナちゃんの方がずっと良かった。スプーンに乗りきらない芋は二日目でも生き残ってたし、肉だって鶏だけどゴロゴロ入ってた。どの具も切り方は大ざっぱだったけど、あいつの肉じゃがみたいな豚バラカレーとは全然違う。男のくせにやることがいちいちみみっちいのだ。
あいつはいつもばかの一つ覚えでリナちゃんの死んだ日はカレーしか作らない。あの日、雪をかぶったビニール袋の中で湿ったルウの箱を見つけた瞬間から、俺はカレーが嫌いになったのに。
Auther : 犀川ゆう子 Circle : エティーチカ Twitter : @yuko_saikawa |
うらにそれぞれ猫の絵が描いてあったポスカではないかなぁと。
私のは魔女猫とコウモリでした!
お父さんと子供で読みました。
すれ違う思いと乗り越えられない悲しみが辛いです。