「これ何だろ?」 とある神社でスマホの画面を見た私は呟いた。そこには鳥居へ向かう緑の筋があった。彼へ見せると 「すげっ! 龍じゃん!!」 と叫んだ。言われてみれば、この神社は龍神を祀っている。 その日から、龍は至る所で私たち二人のデートへ姿を見せるようになった。 梅の不老園・神代桜のお寺・ハイジの村の薔薇の回廊……龍は薔薇科の花がお好きらしい。 そのうち彼と結婚をし、新婚旅行先の海外にあるホテルで、デキ婚をした私のお腹を彼が撫で寛いでいた。部屋にはジューン・ベリーの鉢植えが置かれている。その時に私の耳元で龍の声がした。 「来ちゃった(ハート)」 ―結―
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薔薇が好きな龍とは可愛らしい。
このまま、子供にもストーカーという名の守り龍になったりして……。