お針子/寿 ちま

 

 

 

教会には特別なお針子が存在する
眠り姫の衣装を専用に仕立て上げるお針子
少女のままの姿であるためサイズは変わらず
衣装は作れば作るほど年数を越えていく

故にアンティークと呼ばれる物も少なくない
今では手に入らない生地、飾られているレースやビーズなど
それを管理するのも彼らの役目だ
ここで仕立てられた衣装の出来栄えは
最高の技術と賞賛されるが
専用であるために余程のことがない限り以外のことはしない

もう少し飾りをつけましょうよ
このレースなんてどうかしら?

お針子の会話が弾む

女の子は可愛くね
いつでもいつまでも可愛くだわ
姫様を可愛くするのは私達の役目
最近はほら
思い出したように言う

装いは大事だわ
そうね

ふふふふ

 

(画像が小さかったため本文は主催が書き起こしました)

Auther : 寿 ちま
Circle : らいとにんぐにゃんこ
Twitter : @lightningnyanko
紹介文 : 黒の史書第9話です

 

 

 


コメント

  1. いぐあな より:

    姫様が可愛らしいのには、影に彼女達の存在があったのですね。
    代々受け継がれるアンティークレースやビーズの数々、実に羨ましい。きっとお宝級もあるんでしょうね……拝見したいです。
    可愛く可愛く着飾らせて貰って、姫様もきっと喜んでおられると思います。

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