2015.10.24 本の願い/いぐあな Tweet Auther : いぐあなCircle : 一服亭Twitter : @sou_igu紹介文 : ちょっとSFと王道ファンタジーのSSです。裏におまけで、ラリー特典の折本「カメオな日々2・日常編」のURLとQRコードが付いてます。特典折本が欲しい方は、Twitterの方でリプ下されば、URLをお教え致します。 Tweet コメント なな より: 2015年10月25日 7:09 AM 背景のイラストが、物語の中の1シーンをあらわしていて、とてもうつくしいです。青い蝶は何の象徴なのでしょうか。 返信 森村直也 より: 2015年10月25日 10:59 AM こちらもカードとして綺麗だったのだろうと、画像を見て思います。 図書館から無数の蝶が飛び立っていく様も。 蝶を従えた(ように見える)魔女も。 視覚的にもこうかな、ああかな、想像します。 本は、読まれてこそ、使われてこその本なのでしょう。 青い蝶が、とらわれることなくありますよう。 返信 むしこ/まるた曜子 より: 2015年11月4日 4:51 PM 偉大な魔女が現れた、わけですが、 実は未だに青い蝶に『おぬしはホント覚えが悪いのう~』とからかわれて頭が上がらず、 でもそれはお互いポーズで楽しく暮らしてるっていう未来を想像。 返信 納豆 より: 2016年3月3日 8:25 PM 初めまして、こんにちは。納豆と申します。 いぐあな様のポストカードご作品「本の願い」を紙媒体で拝見拝読して、こちらのサイトに伺いました。 「本の願い」のポストカードを初めて拝見した時、最初に目に入ったのが「青色」で。綺麗だなぁ、と感じました。 透明な青色で、綺麗だなぁ、と感じました。文字の背景も、透明感のある水色で、青い蝶が6羽舞っていて。右下には、輪郭がはっきり描かれた青い蝶と、木製の杖に緑色の植物が巻き付いていて、葉も緑色の他に、赤、黄の葉も生えていて。先端には赤い宝石も埋め込まれているし、植物の蔓には十字架も下げてあって。紫色の小さな玉、オレンジ&水色の羽。そして杖の先端には青い水晶、その中兄は虹と、星と、月と、太陽が映っている。 そして「本の願い」を拝読し、読み終わってから改めて杖のイラストを見た時に。 とても、時間を感じました。年月を感じました。何十回何百回果てしなく、日が昇り、月が昇り、夜空を星が照らしたのだろうと。 そして、その長い長い年月の中で。私は、木製の杖から「本」に詰め込まれた先人たちの知識を、杖の先端の赤い宝石からその知識が宝である事を連想しました。 図書館だ、本だ……! ととても感じました! そして、長い年月「禁書」たちが封じられていたこと。長い年月の中で沢山の「禁書」と判断された本が封じられたこと。 お話で、やっと自由になれた、鎖から開放され禁書たちが、どれだけ長いこと、どれだけ沢山、国に「禁書」として、図書館の奥の禁書の魔道書の部屋に封じられてきたのか。鎖に繋がれていたのか。 そしてそんな奥深く封じられ、さらに鎖で繋がれ身動きがとれない禁書と判断された本たちが、自分では部屋の窓すら開けることが出来ない。どれだけ窓の外に憧れたことだろう、どれだけ自由になりたかっただろう。どれだけ窓を眺めていたことだろう、見つめていたことだろう。どれだけ課せられた鎖を見つめては絶望しただろう。 まなじ、果てしない時間を感じるだけに、閉鎖された空間の中、身動きも取れず、どれだけ悔しくて悲しくて苦しかっただろうと思うと、素で涙が出そうです。やっと自由になれて、本当に良かった。 鎖から放たれた本が一斉に色とりどりの蝶に変わったシーンで。国から「禁書」と判断された本達は、彼女が青い蝶から教えられた呪文で封印から解き放ってみれば、色とりどりの蝶に変わった。国が禁書扱いしてそういう扱いをするから、色とりどりの蝶としての姿を取れなくなっていたのだと。封じられていたのは、本が禁書としてだけでない。本の姿さえ、歪められ……というより、歪んでると思っていたのは国であり、国が歪んで禁書たちを認識しているから、禁書だったんだと思いました。つまり、最初から、禁書たちは本来、色とりどりの蝶だったのだと感じました。 そして、青い蝶に禁書たちを開放した彼女が、青い蝶になった禁書から方法や呪文を教えられたとはいえ、彼女自身はまともに魔法が使えないからと司書にまわされた、という所。彼女に対しても、まともに魔法が「使えない」と認識しているのは、やはり彼女の周りの人間からの一方的な判断だという感覚がしました。 禁書と判断された本たちのように、色とりどりの蝶になった綺麗な本たちが図書館の奥深くで鎖に繋がれていたように。彼女が本当に魔法が使えなかったとは思えなくて。使えなかったかもしれない、ただ、その使える使えないの基準は、世界の純然たる事実でも現象の証明でもなく、国が周りの人間がそう判断したから。 そして本当に彼女が魔法をまともに使えなかったのだとしても、例え青い蝶となった禁書がずば抜けた知識を有していてしかも教え上手だったとしても。教えられた彼女にそれを受け入れるものがなければ、禁書たちを解き放つことは出来なかったのではないかと。 禁書たちを禁書と判断し、封じていた国たち。彼女のことをまともに魔法が使えないと判断した人たち。 彼女が本当にまともに魔法が事実使えないのだとしたら、まともに魔法が使えない彼女が、教えられたとはいえ十年後には禁呪以外の呪文をすべて使えるようになってる、まともに魔法が使えない彼女が。 すると、まともに魔法が使えるとされていた人たちは、まともに魔法が使えない彼女が習得できる呪文を自分では習得できなかった。彼女より魔法が使えたはずなのに。禁書のことを禁書として判断し、更に鎖で繋いでいたくせに、と、国の人達からすれば、皮肉な話だと思いました。 そして、なぜ、教えられたとはいえ、彼女が禁呪以外の呪文をすべて使えるようになったのか。 私は、彼女が、「まともな魔法」を使えなかったから、使わなかったから、習得しなかったから。 そして、彼女が、禁書を、禁書たちから頼まれて戸惑ったとはいえ、禁書のことを、国がそう扱ってきたように、腫れ物扱いしなかったから。封じなくてはならないという、認識をしなかったから。 彼女はただ、本を、開放したんだと思いました。何の見返りを求めるでもなく。ただ禁書の頼みを聞き、叶えた。 ただ、それだけ。ただ、禁書の話を聞き、国から禁書への扱いを真に受けるでもなく、ただ、禁書を開放したのだと。彼女は、先入観で判断せず、ただ、開放したのだと思いました。 だから彼女は、青い蝶となった禁書が教えてくれた禁呪以外の呪文の全てを、教えれるまま、使えるようになったのではないかと。彼女が禁書の話を聴いたから。彼女が、禁書を読んだから。彼女が、本を読んだから。禁書とされた本たちの、話を聴いて、本を読んで、願いに気づき、聴き入れ、叶えたから。 本たちは封じられた部屋から開放されたかった。自由になりたかった。 本たちは、国から禁書扱いされているというその封じからも、自由になりたかったのではないかと感じました。鎖が重くて痛くて苦しくて、悲しくて悔しかったのではないかと。 封じられた本たちは、お互いに、開放される時を待って、お互いに励ましたり、お互いの本を語り合ったのではないかと。 いつか誰かに、読んでもらいたい。この部屋から、「禁書」という認識から、開放してくれ。 本当は色とりどりの蝶なんだ。見つけて欲しい、開放して欲しい。もう、外に出て、春風の中を自由に舞いたい。 少女が唱えた呪文は、禁書とされていた本達の、「あなたの本を確かに私が読みました」というものではないだろうか、と私はそう思いました。 実際に、そうじゃないかもしれないし、本は、読んだ人の分だけ感想や解釈が違うと思うけど、私がいぐあなさんの「本の願い」のポストカードを拝見して、拝読して、そう感じたので、感じたまま、「あなたの本を確かに読みました」といぐあなさんにお伝えしたい気持ちで一杯になったので、こちらの「300字SSポストカードラリー」さんのコメント欄をお借りしまして、感想を失礼致しました……! (実は盛大に照れくさいというか、率直に感想綴らせていただいたので、ドキドキ緊張でカチンコチンですが……!) 乱文どうかお許し下さい。それでは失礼致します。 返信 いぐあな より: 2016年3月6日 7:46 PM コメントありがとうございます。 >なな様 魔法の本の象徴として、とにかく幻想的な蝶が描きたくて、頭に浮かんだのがモルフォチョウでした。メタルティックなところが幻想的で、好きな蝶でもあります。 >森村様 本はやはり読まれてこそ本だと思います。書架に並ぶ本を見て、そう思います。もしかしたら、蝶になった本達は読んでくれる人を探して飛んで行ったのかもしれません。 >むしこ様 そのまま、私の描く二人の未来です。きっといつまでも、頭の上がらないまま仲良くしていると思います。 >納豆様 長文の感想ありがとうございます。杖のイラストも、偉大な魔法使いの杖とはどういうものだろうと頑張って想像して描いたので、そう言って頂けて嬉しいです。 多分、国の上の人達は強い魔法を独占したかったのだと、思います。その結果、読まれない本が出来てしまったのかと。 彼女は才能はあったけど、要領が非常に悪かったのですね。それを見抜けなかった方もたいがいですが。 沢山感じて頂けて、本当に嬉しいです。ありがとうございました。 返信 コメントを残す コメントをキャンセル コメント 名前 * メールアドレス(公開はされません。) *
背景のイラストが、物語の中の1シーンをあらわしていて、とてもうつくしいです。青い蝶は何の象徴なのでしょうか。
こちらもカードとして綺麗だったのだろうと、画像を見て思います。
図書館から無数の蝶が飛び立っていく様も。
蝶を従えた(ように見える)魔女も。
視覚的にもこうかな、ああかな、想像します。
本は、読まれてこそ、使われてこその本なのでしょう。
青い蝶が、とらわれることなくありますよう。
偉大な魔女が現れた、わけですが、
実は未だに青い蝶に『おぬしはホント覚えが悪いのう~』とからかわれて頭が上がらず、
でもそれはお互いポーズで楽しく暮らしてるっていう未来を想像。
初めまして、こんにちは。納豆と申します。
いぐあな様のポストカードご作品「本の願い」を紙媒体で拝見拝読して、こちらのサイトに伺いました。
「本の願い」のポストカードを初めて拝見した時、最初に目に入ったのが「青色」で。綺麗だなぁ、と感じました。
透明な青色で、綺麗だなぁ、と感じました。文字の背景も、透明感のある水色で、青い蝶が6羽舞っていて。右下には、輪郭がはっきり描かれた青い蝶と、木製の杖に緑色の植物が巻き付いていて、葉も緑色の他に、赤、黄の葉も生えていて。先端には赤い宝石も埋め込まれているし、植物の蔓には十字架も下げてあって。紫色の小さな玉、オレンジ&水色の羽。そして杖の先端には青い水晶、その中兄は虹と、星と、月と、太陽が映っている。
そして「本の願い」を拝読し、読み終わってから改めて杖のイラストを見た時に。
とても、時間を感じました。年月を感じました。何十回何百回果てしなく、日が昇り、月が昇り、夜空を星が照らしたのだろうと。
そして、その長い長い年月の中で。私は、木製の杖から「本」に詰め込まれた先人たちの知識を、杖の先端の赤い宝石からその知識が宝である事を連想しました。
図書館だ、本だ……! ととても感じました!
そして、長い年月「禁書」たちが封じられていたこと。長い年月の中で沢山の「禁書」と判断された本が封じられたこと。
お話で、やっと自由になれた、鎖から開放され禁書たちが、どれだけ長いこと、どれだけ沢山、国に「禁書」として、図書館の奥の禁書の魔道書の部屋に封じられてきたのか。鎖に繋がれていたのか。
そしてそんな奥深く封じられ、さらに鎖で繋がれ身動きがとれない禁書と判断された本たちが、自分では部屋の窓すら開けることが出来ない。どれだけ窓の外に憧れたことだろう、どれだけ自由になりたかっただろう。どれだけ窓を眺めていたことだろう、見つめていたことだろう。どれだけ課せられた鎖を見つめては絶望しただろう。
まなじ、果てしない時間を感じるだけに、閉鎖された空間の中、身動きも取れず、どれだけ悔しくて悲しくて苦しかっただろうと思うと、素で涙が出そうです。やっと自由になれて、本当に良かった。
鎖から放たれた本が一斉に色とりどりの蝶に変わったシーンで。国から「禁書」と判断された本達は、彼女が青い蝶から教えられた呪文で封印から解き放ってみれば、色とりどりの蝶に変わった。国が禁書扱いしてそういう扱いをするから、色とりどりの蝶としての姿を取れなくなっていたのだと。封じられていたのは、本が禁書としてだけでない。本の姿さえ、歪められ……というより、歪んでると思っていたのは国であり、国が歪んで禁書たちを認識しているから、禁書だったんだと思いました。つまり、最初から、禁書たちは本来、色とりどりの蝶だったのだと感じました。
そして、青い蝶に禁書たちを開放した彼女が、青い蝶になった禁書から方法や呪文を教えられたとはいえ、彼女自身はまともに魔法が使えないからと司書にまわされた、という所。彼女に対しても、まともに魔法が「使えない」と認識しているのは、やはり彼女の周りの人間からの一方的な判断だという感覚がしました。
禁書と判断された本たちのように、色とりどりの蝶になった綺麗な本たちが図書館の奥深くで鎖に繋がれていたように。彼女が本当に魔法が使えなかったとは思えなくて。使えなかったかもしれない、ただ、その使える使えないの基準は、世界の純然たる事実でも現象の証明でもなく、国が周りの人間がそう判断したから。
そして本当に彼女が魔法をまともに使えなかったのだとしても、例え青い蝶となった禁書がずば抜けた知識を有していてしかも教え上手だったとしても。教えられた彼女にそれを受け入れるものがなければ、禁書たちを解き放つことは出来なかったのではないかと。
禁書たちを禁書と判断し、封じていた国たち。彼女のことをまともに魔法が使えないと判断した人たち。
彼女が本当にまともに魔法が事実使えないのだとしたら、まともに魔法が使えない彼女が、教えられたとはいえ十年後には禁呪以外の呪文をすべて使えるようになってる、まともに魔法が使えない彼女が。
すると、まともに魔法が使えるとされていた人たちは、まともに魔法が使えない彼女が習得できる呪文を自分では習得できなかった。彼女より魔法が使えたはずなのに。禁書のことを禁書として判断し、更に鎖で繋いでいたくせに、と、国の人達からすれば、皮肉な話だと思いました。
そして、なぜ、教えられたとはいえ、彼女が禁呪以外の呪文をすべて使えるようになったのか。
私は、彼女が、「まともな魔法」を使えなかったから、使わなかったから、習得しなかったから。
そして、彼女が、禁書を、禁書たちから頼まれて戸惑ったとはいえ、禁書のことを、国がそう扱ってきたように、腫れ物扱いしなかったから。封じなくてはならないという、認識をしなかったから。
彼女はただ、本を、開放したんだと思いました。何の見返りを求めるでもなく。ただ禁書の頼みを聞き、叶えた。
ただ、それだけ。ただ、禁書の話を聞き、国から禁書への扱いを真に受けるでもなく、ただ、禁書を開放したのだと。彼女は、先入観で判断せず、ただ、開放したのだと思いました。
だから彼女は、青い蝶となった禁書が教えてくれた禁呪以外の呪文の全てを、教えれるまま、使えるようになったのではないかと。彼女が禁書の話を聴いたから。彼女が、禁書を読んだから。彼女が、本を読んだから。禁書とされた本たちの、話を聴いて、本を読んで、願いに気づき、聴き入れ、叶えたから。
本たちは封じられた部屋から開放されたかった。自由になりたかった。
本たちは、国から禁書扱いされているというその封じからも、自由になりたかったのではないかと感じました。鎖が重くて痛くて苦しくて、悲しくて悔しかったのではないかと。
封じられた本たちは、お互いに、開放される時を待って、お互いに励ましたり、お互いの本を語り合ったのではないかと。
いつか誰かに、読んでもらいたい。この部屋から、「禁書」という認識から、開放してくれ。
本当は色とりどりの蝶なんだ。見つけて欲しい、開放して欲しい。もう、外に出て、春風の中を自由に舞いたい。
少女が唱えた呪文は、禁書とされていた本達の、「あなたの本を確かに私が読みました」というものではないだろうか、と私はそう思いました。
実際に、そうじゃないかもしれないし、本は、読んだ人の分だけ感想や解釈が違うと思うけど、私がいぐあなさんの「本の願い」のポストカードを拝見して、拝読して、そう感じたので、感じたまま、「あなたの本を確かに読みました」といぐあなさんにお伝えしたい気持ちで一杯になったので、こちらの「300字SSポストカードラリー」さんのコメント欄をお借りしまして、感想を失礼致しました……!
(実は盛大に照れくさいというか、率直に感想綴らせていただいたので、ドキドキ緊張でカチンコチンですが……!)
乱文どうかお許し下さい。それでは失礼致します。
コメントありがとうございます。
>なな様
魔法の本の象徴として、とにかく幻想的な蝶が描きたくて、頭に浮かんだのがモルフォチョウでした。メタルティックなところが幻想的で、好きな蝶でもあります。
>森村様
本はやはり読まれてこそ本だと思います。書架に並ぶ本を見て、そう思います。もしかしたら、蝶になった本達は読んでくれる人を探して飛んで行ったのかもしれません。
>むしこ様
そのまま、私の描く二人の未来です。きっといつまでも、頭の上がらないまま仲良くしていると思います。
>納豆様
長文の感想ありがとうございます。杖のイラストも、偉大な魔法使いの杖とはどういうものだろうと頑張って想像して描いたので、そう言って頂けて嬉しいです。
多分、国の上の人達は強い魔法を独占したかったのだと、思います。その結果、読まれない本が出来てしまったのかと。
彼女は才能はあったけど、要領が非常に悪かったのですね。それを見抜けなかった方もたいがいですが。
沢山感じて頂けて、本当に嬉しいです。ありがとうございました。