第6回作品集

無限ループの砂/ほた

 

 

 

 

 

Auther : ほた
Circle : 夢花探
Twitter : @hota_ho
紹介文 : テキレボ7新刊予定
「老舗魔法薬店末っ子長男の処方箋」より

今回のポストカードはデザインが先行でした。
砂時計の中に文字が落ちてゆく感じにしたい!
文章も砂時計の形状に合わせました。

敵は睡魔の手先砂時計!戦いの幕が切って落とされる!

なんてね。主人公の性格が分かればと。

 

 

 

時計を知らない少年と、時計を無くした時間旅行者/風城国子智

 

  揺れる草影に隠れていた物体を、そっと拾い上げる。

 小さな手の中に収まる、滑らかで丸い物体。熱が無いから生物ではない。いや、透明な面の向こうに見える三種類の細いものは規則正しく動いている。耳を近付けると、胸の鼓動に似た音がする。きっと凍えているのだろう。アキは一人頷くと、その物体を胸元に入れようとした。

 その時。

「あ、あった!」

 高い声と共に、手の中の生物が消える。

 アキの手の中にあったはずの生物を手にした、背の高い影は、声だけを残して虚空へと消えた。

 あの生物は、あの人が大切にしていたもの。それだけを、何とか理解する。大切な人の手の中に戻った。それで良いではないか。過ぎった寂しさに、アキは小さく頷いた。

 

 

Auther : 風城国子智
Circle : WindingWind
Twitter : @sxisato
紹介文 : 普段はファンタジーっぽい物語を中心に書いております。今回は、……ファンタジー? SF?

 

 

 

守矢豆腐店/雲形ひじき

 

 

 

 

Auther : 雲形ひじき
Circle : 三日月パンと星降るふくろう
Twitter : @kmkymr
紹介文 : 本当は何時だかわからないけれど僕の時計がそう言うならその時刻なのだろう。サークル合同誌ではおいしいご飯と不思議な出来事を、個人誌では日本酒を舐めて浮かんだストーリーを書き記し、頒布しています。

 

 

 

祖父の待ち合わせ時間/たつみ暁

 

 

 

 

Auther : たつみ暁
Circle : 七月の樹懶
Twitter : @tatsumisn
紹介文 : これを言うと出身校バレするかもしれませんが、私の通っていた高校は集合時間に厳しく、
「五分前集合の五分前、十分前に集合しろ」 なんて無茶ぶりがまかり通る学校でした。
かれこれ(ピー)年前なので、今はすっかりユルッユルになっていると思いますが、今でも私が待ち合わせをすると時間よりかなり早く着いてしまうのは、大体この時叩き込まれた精神のせいです。
遠い後輩達は、もう少し穏やかに過ごせているといいなあと思います。

 

 

 

小さな薔薇と砂時計/たつみ暁

 

 

 

 

Auther : たつみ暁
Circle : 七月の樹懶
Twitter : @tatsumisn
紹介文 : 同コンセプトで6人がそれぞれの物語を描く、合同誌『お姫様と騎士の薔薇庭園』より、たつみ暁担当『アンブロシアの花』の番外編です。
本編は短編で駆け抜けるので、ここまで平和な時間はありませんが、こんな穏やかな出来事もあったんだよ、と受け取っていただけたら幸いです。

 

 

 

はじめてのおつかい/たつみ暁

 

 

 

 

Auther : たつみ暁
Circle : 七月の樹懶
Twitter : @tatsumisn
紹介文 : 異世界恋愛ファンタジー『アルテアの魔女』より、後半主人公カナタが小さい頃の、「はじめてのおつかい」です。本編5巻以降では、十六歳の少年騎士になった彼の成長が見られます。
本編は6巻+特別巻で完結しております。世代を越える『魔女』と『死神』の物語を、よろしくお願いいたします。

 

 

 

おなじ/たつみ暁

 

 

 

 

Auther : たつみ暁
Circle : 七月の樹懶
Twitter : @tatsumisn
紹介文 : 現在当サークルメインのダーク風味ファンタジー『フォルティス・オディウム』より、 第2ヒーロー・ミサクの視点から描いた一幕になりました。
二人が「おなじ」時計を持つ事に何の意味があるかは、 上巻親世代終盤にて触れられますので、ご興味をお持ちくださった方は、本編もよろしくお願いいたします。

 

 

 

時間の証/野間みつね

 

 

 

 

 

Auther : 野間みつね
Circle : 千美生の里
Twitter : @Mitsune_Noma
紹介文 :  多分ライト(?)ファンタジーである『魔剣士サラ=フィンク』にも登場する人物、セルリ・ファートラム。僅か二十一歳で魔道の奥義を究め、“稀代の天才魔道士”と呼ばれていた彼ですが、この頃は既に“暗黒魔道士”という異名で呼ばれるようになっています。  『魔剣士サラ=フィンク』に何げなく出てくる小道具、その後ろにある彼の思いを掌編に綴ってみました。……本編、もうすぐ刊行出来そうですので、よ、宜しければ(汗)。  なお、こちら単独でお読みいただいても無問題ですが、テキレボアンソロ「海」参加作品「漂う遺跡」にてこの時計を入手した折の話を書いていますので、以下URLからどうぞ。 http://text-revolutions.com/event/archives/7556

 

 

 

いつかの隠れ鬼/森瀬ユウ

 

 

 

 

 

Auther : 森瀬ユウ
Circle : とぎれない、いつか
Twitter : @destructiveblue
紹介文 :  大きくてゴツい腕時計が好きです。時間を確認するだけならスマートフォンで事足りるのに、左腕に時計がないとどうにも落ち着かない。きっと時計が存在していればそれだけでよくて、針が止まっていても気がつかないかもしれません。それでも時間は過ぎていく。
 これまでの300字SSとは毛色が異なる作品になりました。個人的にはとても気に入っています。お読みくださりありがとう御座いました。